富士山に挑戦した話し②
とりあえず7合目までは行ってみることが決定したので、すぐに荷物をまとめて外に飛び出してみると、メアリー(台風8号)はまだ来ていないが、すでに雨は降っていた
華麗に登山ウェアを着こなして、登山客達の心を根こそぎ奪い、下りは屈強な男性に担いでもらって下山するぞ!
と意気込んでいっていたのに、最初からレインウェアを着ることになってしまったので、とても残念に思った
それでも、ばななっ仔の全身緑コーデは本当に可愛くて、私のテンションは上がっていた
ひとしきり写真を撮り、検温をし、
やっと登山スタートだ
5合目から7合目までは2時間30〜3時間程度で、
レインコートを着てるととても暑く、
暑さによって体力は奪われた
登山客は日本人よりも外国人の方が多かった
そのせいで私は屈強なイケメン外国人の登山ウェアの下にあるであろう大胸筋に夢中になってしまい、
足元の岩場が全く見えておらず、
何回も滑ってコケて身体を強打したりした
今後富士登山する人には是非とも、外国人の大胸筋に夢中になったりはせず、足元の岩場だけを見たほうがいいよとアドバイスを送りたい
途中、小学生くらいの子供や、おばあちゃんくらいの年齢の方ともすれ違ったりして、
「なーんだ、日本一とはいえさすがは世界遺産、誰でも登れるようになってるんだ、20代の健康な私たちが登れないわけないよね♪」
と高を括った会話をした
今思えば、なぜあの時に、無限体力の小学生と、多くの修羅場をくぐってきたおばあちゃんを下に見たのかと、悔やみますけれども
まぁまぁキツかったが、12時くらいに予約をしていた7合目の山小屋に無事に辿り着いた
山小屋のお兄さんは、ひとしきり山小屋の説明を終えた後、
「台風の状況と他の登山客の動向を踏まえると、頂上は諦めて今日はここに一泊して明日朝イチで下山するのが無難です」
的なことを言った
やる気はあるが、天気も地図も読めない素人の私たちは、それに従う他なく、一旦「じゃぁそのスケジュールで…」と部屋に入った
が、
どーーしても諦めきれなかった
だってだって1年前から計画してて、
お盆に1週間の長期休暇をとっても嫌味言われないために日々の仕事頑張ってきたし、山で最高な1枚を取れるようiPhone13 Proを買ったし、体力作りのためにスイミングスクールに入会して泳いできたんだもん!って感じに想いが溢れ、
スラムダンクの三井ばりのテンションで
「安西先生、山頂に登りたいです」
と山小屋のおじさんに直談判した
そうするとこの言葉を待ってたと言わんばかりに、頂上までのスケジュールを組み直してくれた
当初の予定では
「7合目に一泊して高地順応をし、深夜出発からの、山頂ご来光からの下山」
という流れだったが、
「このまま昼間のうちに山頂まで登ってしまい、暗くなる前に7合目まで下山し、一泊して朝降りる」
という豪快な日程になってしまった
山小屋の安西先生からは、
「最後まで希望を捨てちゃいかん、諦めたらそこで試合終了だよ」とは言われず
「これから雨がより強まるから、無理だと思ったらそこですぐに下山を始めること」
という真逆なことを言われた
7合目から頂上までは3時間半〜4時間程度かかるとのこと
すでに5合目から7合目までの登山で、だいぶ疲弊していたが、登らない選択肢はなかった
7合目のオーディエンスに手を振り、降りしきる雨の中私たちは山頂へ向かって進み始めた
これから待ち受けてるのが修羅の道だとは知らずに…